nTopologyの新しいラティス技術のご紹介

nTopologyの新しいラティス技術のご紹介

nTopologyの第3世代ラティス・テクノロジーのリリースを発表できることを嬉しく思います。
最先端の高度なラティス生成ツールです。

Alkaios Bournias Varotsis
June 1, 2022

アディティブ・マニュファクチャリング分野に関わりのある方なら、nTopologyのラティス生成機能が業界最高クラスであることをご存知でしょう。しかし私たちは常に、より高いハードルを設定するための努力をしています。

従来のラティシング技術では、3Dプリントの用途をさらに広げるための新機能を開発するには限界がありました。

ここで、新しいラティス生成技術によって可能となった、最も先進的なラティス生成用の設計ツールを公開します。

新しいラティスツールは、使いやすく、従来よりも高速で、複雑なラティス構造をより自在にコントロールできるようになりました。また、以下に紹介する革新的な機能のための基本的なインフラを提供します。

今回リリースされた新しいラティス 技術には、過去22ヶ月間にわたって開発されてきた37のブロックが組み込まれています。私たちはこの機能を完成させるために時間をかけ、nTopコミュニティからのフィードバックを実装し、移行のためのドキュメントを準備しました。

何百人ものnTopユーザーがすでにこの新しいラティス技術を使用しているのです。実際、nTopologyでラティス加工を行っているユーザーの45%は、今回のフルリリース以前からすでに新しいブロックを使用しています。

より簡単に習得・使用が可能

私たちが目指したのは、nTopの新規ユーザーがソフトウェアを使い始めた瞬間から新しいラティスツールをできるだけ簡単に利用できるようにすることでした。

そこで、ラティス生成のプロセスをユニットセルの選択セルマップの定義ラティスパラメータの制御(厚みなど)という3つの基本ステップに分けました。
この簡単な手順をマスターすることで、その後に高度なラティスやDfAMの適用方法をより早く、より直感的に習得することができます。

nTopの既存ユーザーに対しては、新しいラティス技術への移行をスムーズに行っていただけることを目標としました。

更新された[Lattice]タブには、従来のラティス技術を使ったワークフローの出力を素早く再現できる、使いやすい3つのブロックが新たに追加されています。これらのブロックを使うことで既存のワークフローを自分のペースで新しいラティス技術に移行することができます

”光速”ラティス生成

ワークフローを新しいラティス技術に移行する際、特にビームやユニットセル数が非常に多いラティスを扱う場合、大幅な性能向上を実感できると思います。
あるベンチマークの例では、以前は5万個以上のユニットセルを持つラティスを生成するのに45〜60秒かかっていたところが、いまでは十分な装備のあるノートパソコンでは1〜2秒で再構築できるようになったのです。

すでに最速クラスであったラティス生成ツールの、50倍のパフォーマンス向上を果たしたというわけです。

5万個以上のユニットセルを持つラティス構造を数秒で再構築できるようになりました。GPUアクセラレーションにより、結果はリアルタイムで画面に表示されます。

新しいラティスツールを実際にご覧ください!

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より高度なコントロール

nTopの経験豊富なユーザー様へ。新しいラティス技術は無駄のないラティスの計と最適化を可能にする、多くの新機能を備えています。これらの新しいツールにより、エンジニアリング要件がすでにモデルに組み込まれた性能主導のラティス生成プロセスを作成することができます。以下はその概要です。

ラティス・ワーピング

新しいワーピングツールではField-Driven Designの手法を適用し、ラティスの厚みを制御するのと同じように、ラティスのセルマップを制御することができます。この機能とリアルタイムの可視化を組み合わせることで、複雑な形状を精密に調整することができます。また、コンフォーマル・ラティスを設計するための新しい強力な方法を提供します。

この圧力マップはセルマップのセルサイズを制御します。 その結果、より多くのサポートが必要な領域でより硬い靴底ができます。
統一されたラティス・ワークフロー

グラフTPMSカスタムユニットセルのいずれを扱う場合でも、ラティス生成は統一されたワークフローに従うようになりました。この機能により、異なるラティスタイプ間の素早い反復がはるかに容易になり、時間を節約することができます。また、最適化のための実験でのコンピュテーショナルデザインも簡単に設定することができます。

新しい「Lattice」ブロックは、ラティス設計のための統一された設計ワークフローを提供します。ユニットセルとセルマップのタイプを交換することで、より広い設計空間をより速く探索することができます。
Filter Beam Utilities

新しいフィルタリングユーティリティでは、長さ、角度、接続性、厚みなどの特定の条件に基づいてラティス状のビームを選択することができます。この機能により、ラティス構造の特定のパラメータを空間的に制御し、製造のために最適化することができます。

サーフェス・ラティス

新しいラティス技術により、クワッドメッシュの表面に適合するセルマップを作成することができます。サーフェス・ラティスは、複雑な形状や有機的な形状のボディでも剛性を高める「コンフォーマル・リブ・グリッド」を設計することが可能です。

このサーフェス・ラティスは、トポロジー最適化されたボディの補強リブグリッドとして機能し、重量を増やすことなく強度をさらに向上させます

ユーザーの声

nTopユーザーの方々に、新しいラティス技術の能力についてコメントをいただきました。以下は、そのコメントです。

Ross Brown は Marotta Controls 社の Additive Manufacturing Engineer であり、nTop のエキスパートユーザーでもあります。現在は、海洋用途の高性能製品の開発に注力しています。

新しいラティスブロックのおかげで、ラティスのデザイン、特にセルマップをより自由にコントロールできるようになりました。あるプロジェクトでは特定の方法でラティスを変形させる必要がありましたが、これはセルマップを素早く可視化しなければ、とても難しいことです。この機能だけで、複雑な形状をより正確に調整できるようになりました。

Ross Brown, Marotta Controls

Chelsea Cummingsは、Barnes Global AdvisorsのDigital Applications Advisorです。彼女はクライアントと協力して新しい3Dプリント製品を開発し、最新技術についてトレーニングしています。

このレベルの制御でラティスを編集できるようになったことは、大きな意味があります。これによって非常に繊細なアディティブ・マニュファクチャリング・プロセスのためのnTopの出力が向上します。特に、金属レーザー粉末床溶融は最も繊細です。

Chelsea Cummings, The Barnes Global Advisors
新しいボロノイ・ラティスツールは、オープンビームをキャップし(製造性を向上)、得られた構造の空隙特性を計算することができます。

What’s Next?

本日公開した新しいラティスツールは強力な機能を備えていますが、それでもこの次に来るものと比べると見劣りします。

新しいラティス技術インフラにより、画期的な新しい最適化ツールを迅速に構築することができ、将来のイノベーションを解き放つことができるようになります。ここでは、次に来るもののプレビューをご紹介しましょう。

フィールド・ドリブン・ラティス最適化

この新しいラティス技術により、斬新で強力なフィールド・ドリブン最適化能力の基礎はすでに築かれました。目標とする剛性や重量など、特定のエンジニアリング要件に最適化されたラティス構造を自動的に生成できる新しいツールを現在テスト中です。

この例では、目標とする剛性応答を得るためにボロノイ・ラティスのセルサイズを自動生成しました。
カスタム グラフ ユニットセル

現在ある30以上のビルトインユニットセルでまだカバーされていないタイプのユニットセルを使用したいケースもあるでしょう。当社の研究開発チームはカスタムグラフユニットセルの開発に取り組んでいます。まもなく、カスタムユニットセルをスケッチてビームの厚さ、長さ、フィレット半径など、関連する設計パラメータを定義することができるようになります。

コンフォーマル・ラティス構造

我々のチームはすでに、既存のコンフォーマル・ラティス生成ツールを補完するためにnTopologyのコンフォーマル・ラティス生成機能の拡張に取り組んでいるところです。複数の表面や有機ボリュームに適合するラティス・セルマップを設計できるようになるのは、もうすぐです。

もっと詳しく知るには?

このリリースについてより詳しく知りたい方は、ヘルプセンターに技術的なFAQが充実した記事とラティス技術の移行ガイドが用意されていますので、そちらをご参照ください。
さらに、nTopのエキスパートがラティス構造の入門ガイドラティス構造の講座も用意していますので、ぜひご参加ください。

nTopologyでは、今後もアディティブ・マニュファクチャリング用のラティス生成やその他のエンジニアリングデザインソフトウェアツールの開発をリードしていく予定です。
今後も、さまざまなソフトウェア・アップデートにご期待ください!

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