nTop Notebookに迫る

nTop Notebookに迫る

nTop Notebookは、私たちのソフトウェアのインターフェイスに不可欠であり、実にユニークな機能を搭載しています。この記事では、Notebookのコアとなる要素とその進化について深く掘り下げ、生産性を向上させるための最新の機能を紹介します。

John Piotrowski
September 28, 2022


nTopのユーザーがnTopologyでより複雑で緻密、かつ拡張性のある設計ワークフローを構築するようになったため、Notebookも当初とは異なる進化を遂げる必要がありました。

この記事では、Notebookの基本、長期にわたる進化、そして nTopology のメインインターフェイスを作成する際に決定した設計について、記憶をたどりながら振り返ってみます。

また、Notebookの最新機能であるNotebook OutlineNotebook SearchCustom Blockインターフェースについても検証していきます。ワープロからヒントを得て、複雑なワークフローの操作や修正を以前より速く、効率的に行えるような機能を開発しました。


nTop Notebookの仕組み

複雑な設計ワークフローをきれいに整備されたnTop Notebookで表現。

nTop Notebookは、nTopologyにおける設計ワークフローの基本ステップを表します。特定の入力に基づき設計出力を生成するために必要なすべてのモデリング操作、ジオメトリ操作、およびシミュレーション手順を記載したものです。

Notebookはエンジニアリングデザインのプロセスを記録。このプロセスは異なる入力に対して再利用することができ、新しい設計出力を生成することが可能。

「ブロック」は設計ワークフローのステップを表します。ブロックは、nTopologyでジオメトリを作成/修正する基本的な要素であり、それぞれ特定の機能が備わっています。ブロックは一連の入力が与えられると、1つの出力を計算します。この出力は別のブロックの入力とすることもでき、それを繰り返すことでより複雑なワークフローを作り出すことができるのです。

Notebookとブロックシステムにより、ジェネレーティブ・デザイン・プロセスや再利用可能なエンジニアリングワークフローを作成。

Notebookには、整理整頓された見やすいファイルを作成するための機能が年々追加されています。

よくメンテナンスされたnTopファイルを最新バージョンで開くと、おそらく「名前」と短い「説明」が表示されます。また、ワークフローを整理してより多くの情報を提供するための複数の「セクション」や「コメント」、出力データの種類によって色分けされた「変数」なども見受けられると思います。「カスタムブロック」と呼ばれる、ワークフローと入出力を再利用可能なブロックにパッケージ化したユーザー作成の関数も見られます。

ここで重要なのは、従来のCADソフトのモデルツリーとは異なり、nTopologyでの操作はジオメトリそのものに対して行われるわけではなく、シーケンシャルなものでもないことです。ブロックはジオメトリ(または他のデータ出力)を生成する「関数」だと考えていただければと思います。「Toggle Visibility」ボタンを押したときに画面に表示されるものは、バックグラウンドで計算されたデータの視覚的な表現に過ぎないのです。


Notebookの原点

nTop Notebookは、nTopologyソフトウェアのリリース当初から進化してきました。

nTopologyは、アルゴリズム設計やエンジニアリングプロセスを開発するための関数型言語のビジュアルプログラミング環境と考えることができます。

開発当初は、機械系CADの経験があるユーザーにも親しみやすく、できるだけスムーズにオーサリングできるUIを探していました。

Notebookレイアウトを採用する以前、私たちはコーディングとノードベースのシステムを使うという、2つの選択肢を検討しました。しかし、いくつかの理由からこの2つの選択肢は外すことにしました。

  • コーディングを行う際、設計の自然な流れが途切れてしまう。ユーザーはワークフローを変更したときにすぐにフィードバックが欲しいとはずであり、コードを書いてコンパイルすることは、基本的な設計作業を中断させることになる。また、コーディングはエンジニアや設計者の間ではまだまだニッチなスキルであり、できるだけ多くのユーザーが簡単にアクセスできるようなツールを作りたいと考えていた。
  • ノードベースのシステムは、より複雑なワークフローを作成する場合には不十分である。ブロックや接続の数が増えると、必然的に読みにくくメンテナンスをしにくく複雑に入り組んだものになってしまう。

Notebookシステムは、コードを書くよりもはるかにユーザーフレンドリーな使用感を提供し、ノードベースのインターフェースよりも複雑なワークフローを管理するための快適な操作性を提供するものでもあります。

エンジニアリングノートのようなインターフェイスを目指し、「ノート型」を採用。

nTopのユーザーが設計プロセスやエンジニアリングのノウハウを文書化し、他のユーザーと共有できるように、設計ワークフローを見やすくしたいと常に考えていました。これにより、従来のCADソフトでよく見られたような、モデルとしての結果を共有するだけでなく、自分たちのノウハウを記録・発信することができるのです。


Notebookの新機能

当社のソフトウェアの様々な点と同様に、Notebookも絶えず進化しています。最近では、nTopologyの複雑なワークフローの作成、操作、更新を容易にする3つの新機能をリリースしました。

Notebook Outline

Googleドキュメントにインスパイアされたこの拡張可能なアウトライン(画面左の項目表示)は、ワークフローのハイレベルな概要を確認し、ブロックに素早く移動し、Notebookの中で各変数を使用した場所を追跡することができます。<詳しく見る

Notebook Outlineは、大きなNotebookの全体像を視覚的に把握できるため、全体の構造をより理解し、関連するセクションを素早く表示することができます。

Notebook Outlineには、もうひとつ便利な機能として、「変数の追跡」があります。

変数を選択すると、その変数が使われているすべてのインスタンスがハイライト表示されるので、関連するブロックにすばやくスナップできます。

ワープロにヒントを得たもうひとつの新機能が「Notebook Search」です。Notebook内で使用されている特定のブロックを検索することができるようになりました。 <詳しく見る

この検索機能を使用するには、Notebook Outlineの上部にある検索バーをクリックするかCtrl+Fショートカットを使用して、ブロックまたは変数の名前を入力し始めるとよいでしょう。

Custom Blockの表示&編集

Custom Blockは、プロセスをパッケージ化して複数のNotebookで再利用できるため、複雑なワークフローに不可欠です。カスタムブロックは、メインのnTopologyインスタンスで直接表示できるようになりました。 <詳しく見る

カスタムブロックエディタにアクセスするには、カスタムブロックを右クリックして「Open Block(ブロックを開く)」を選択し、その内容を直接Notebookで表示します。そこでカスタムブロックを直接編集し、nTop Notebookのメインインスタンスに戻ったときにその変更を適用できます。


What’s Next?

このソフトウェアのユーザーインターフェースは、nTopチームにとって活発な研究開発の基礎となっています。

複雑で洗練された設計ワークフローを探求・開発するための、より高度なプログラミング機能をエキスパートユーザーに提供し続けます。またそれと同時に、初心者やカジュアルユーザーにも親しみやすいソフトを目指し、用途に応じたカスタマイズやインターフェースの簡素化も進めています。

ソフトウェアの進化に伴い、nTopologyはパワフルでありながら、さまざまなスキルを持つユーザーにとって親しみやすいものとなるよう心がけています。

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